大判例

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最高裁判所第一小法廷 昭和26(あ)3426 決定

主 文

本件上告を棄却する。

当審における訴訟費用は被告人等の負担とする。

理 由

被告人等本人の上告趣意について。

第一審判決の確定した本件犯罪事実は、判示税務署長の退去命令を受けて被告人

等が判示税務署構内から退去しなかつた事実ではなく、鳥栖町警察署員が判示日時

出動して不退去者全部を同税務署正門から構外に退去せしめた上引揚げた後同日午

後六時頃被告人両名は他の数名と共に判示のごとく同税務署構内に立ち入つた建造

物侵入の事実である。されば、所論一は、新らたに当番で第一審判決の判示に副わ

ない犯罪成立要件事実を想定して、その違憲を主張するに過ぎないものであつて、

上告適法の理由と認め難い。次に、同二は、事実誤認、単なる法令違反、量刑不当

の主張であつて、刑訴四〇五条の上告理由に当らない。また、記録を調べても、同

四一一条を適用すべきものとは認められない。

弁護人工藤精二の上告趣意第一点は、単なる訴訟法違反(所論一の実況見分図は、

被告人側においてこれを証拠とすることに同意しその証拠調に異議のなかつたもの

であり、所論二の証拠調は、刑訴三〇八条、三二八条により検察官に与えられた権

利に基くものであり、所論三の柳田弁護人は、適法に証拠決定の通知を受けながら

故なく証拠調に立会しなかつたものであるから、所論の訴訟法違反は認められない

し、その余は、第一審裁判所の証拠の取捨判断を非難するに過ぎない。)、事実誤

認の主張であり、同第二点は、違憲をいうも、その実質は、原審で主張も判断もな

い単なる訴訟法違反の主張であつて(所論一の訴訟法違反のないことは前点で説明

したとおりである。また、所論二の証拠調には被告人Aの弁護人並びに特別弁護人

が終始立会つたものであるから差支えない。)、いずれも、刑訴四〇五条の上告理

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由に当らない。また、記録を調べても、同四一一条を適用すべきものとは認められ

ない。

よつて、刑訴四一四条、三八六条一項三号、一八一条に従い、裁判官全員一致の

意見で主文のとおり決定する。

昭和二九年一月二八日

最高裁判所第一小法廷

裁判長裁判官 真 野 毅

裁判官 斎 藤 悠 輔

裁判官 岩 松 三 郎

裁判官 入 江 俊 郎

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